(公演名) METLV 「アマゾンのフロレンシア」
(日 時) 2024年2月3日(土)10:55〜
(会 場) kino cinema 神戸国際 シアター1
(演 目) ダニエル・カターン/アマゾンのフロレンシア
(出 演) フロレンシア・グリマルティ:アイリーン・ペレス(S)
リオロボ:マッティア・オリヴィエリ(Br)
ロサルバ:ガブリエラ・レイエス(S)
アルカディオ:マリオ・チャン(T)
パウラ:ナンシー・ファビオラ・エレーラ(MS)
アルバロ:マイケル・キオルディ(Br)
指揮:ヤニック・ネゼ=セガン
演出:メアリー・ジマーマン
今季3作目は、前回、前々回に引き続いてのMET初演もの。それも、約100年ぶりのスペイン語オペラなのだとか。それだけでも期待いっぱいになりますね。
実際、期待通り、いやそれ以上に素敵な公演でした。冒頭、オーケストラの演奏が始まるとすぐに、私たちはこのオペラの世界にグッと引き摺り込まれます。アマゾンの大自然を思わせるような、神秘的な感じの音色がそうするのです。色彩感に溢れるようなサウンドが、オーケストラによっていっぱいに奏でられるので、それだけでこの曲の世界観が十分すぎるほどに伝わってきます。
そして、その上に歌手たちの歌唱がまた素晴らしいのです。主演のアイリーンさんの声は実に伸びやかで、曲自体もとてもメロディアスなのですが、それを実に情緒豊かに歌い上げていくのです。恋人クリストバルへの想いを歌うアリアなど、たまらないくらいに素敵でした。その他の皆さんも、それぞれのキャラクターの個性というものを巧みに表現していて、それらが舞台上でぶつかり合う様は、まさに人間ドラマを見るようで、ある意味、切迫感あるものでした。
話はほとんどすべてが船の上で進行していくのですが、その「船」をはっきりと形で表すのでなく、背景にアマゾンの森林を見せながら、甲板の柵のみを舞台上において「船上」を表すという、とってもシンプルなもの。だからこそ、演者の皆さんも思いっきり動いて表現することができるのでしょう。ほんと、ドラマ性が高いという印象を受けました。
うまく表現できないのですが、何か妙に心に残る作品という印象です。機会があればまた見てみたいと思います。
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