(公演名) 神戸市室内管弦楽団第163回定期演奏会
(日 時) 2024年6月15日(土)15:00〜
(会 場) 神戸文化ホール・大ホール
(演 目) ハイドン/交響曲第90番ハ長調Hob.I:90
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
シューベルト/交響曲第7番ロ短調D759
(アンコール)
ベートーヴェン/エリーゼのために
シューベルト/交響曲ホ長調D729より
(出 演) ピアノ:小山実稚恵
鈴木秀美指揮神戸市室内管弦楽団
小山実稚恵さんが神戸にやってくる!というだけで、思わず勢いで買ったのですが(^^;、いや、実に素敵な演奏でした。ベートーヴェンならではの冒頭のオケの重厚な響きを受け継ぐように、小山実稚恵さんのピアノも実に力強く、分厚い響きを聴かせてくれます。おぉっ!と思いながら聴き進めていくと、圧巻はカデンツァ。すごい!の一言に尽きるような圧倒的なパワーを持って、私たちの心をぐいぐいと彼女の音の世界へ引き込んでいくかのよう。と思いきや、二楽章ではしっとりとうるうるとさせるような響き。涙を誘われるような、まさにロマン派の先駆けたるベートーヴェンの世界、その心情というものを情緒たっぷりに聴かせてくれます。そして三楽章はとってもきらきらとした感じ。音が光り輝くような感じで走り回っています。あっという間に終わってしまった感じもあるのですが、それでもすっごく内容の濃い演奏であったと思います。心が洗われたような気がします… アンコールの「エリーゼのために」もまさにそう。とっても上品な感じで音色が流れて、何かしみじみしたような感じがするのでした。
オーケストラの方はというと、古いタイプの楽器を使用しているからというのはあるのでしょうが、どうも金管の音が気になってしまいます。不安定になるのはある程度は仕方ないのかもしれませんが、それでも不安定すぎるような… 前に私がこのオケの演奏を聴いたのは、約1年半前のプーランクのとき。その時も、金管大丈夫か?とつい思ったことを思い出しながら(?)、聴いていました…
それでも、後半のシューベルトは全体的にかなり気合い入っていましたね。金管の音も前半ほどには気にならないくらい、安定感ありましたし、非常にテンポ感よく、メリハリのついた演奏でした。元々が弦楽合奏団でしたから、弦の方は心配ないのですが、管楽器が加わったのがいつだったか… 木管はまだしも、金管がもっと安定したら本当によいな、と思います。鈴木秀美さんのお茶目な指揮のもと、今後の成長にも期待しながら見守っていきたいなと思います。
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