(公演名) METLV 「つばめ」
(日 時) 2024年6月2日(日)12:05〜
(会 場) kino cinema 神戸国際 シアター1
(演 目) プッチーニ/つばめ
(出 演) マグダ:エンジェル・ブルー(S)
ルッジェーロ:ジョナサン・テテルマン(T)
リゼット:エミリー・ポゴレルツ(S)
プルニエ:ベグゾッド・ダブロノフ(T)
指揮:スペランツァ・スカップッチ
演出:ニコラ・ジョエル
今回の「つばめ」は聴いたことのないオペラだと思っていたのですが、冒頭に出てくるアリア「ドレッタの夢」を聴いて、あ、これかぁ!と思いました。このアリアは確かに耳にしたことがあります。このオペラだったのですね…
ブルーさんは、カルメンのミカエラに次いでの登場ですが、このアリアを始め、マグダの恋に揺れ動く心情というものを巧みに表現していたように思います。純粋なミカエラとはまた違った女性の繊細な心象というものを見事に歌っていました。
彼女以上に印象的だったのが、相手役のテテルマンさん。幕が上がる前にゲルブ総裁が登場されて挨拶をされたのです。“今日のテテルマンさんは季節柄、花粉症にひどく悩まされているけれど、頑張るのでよろしく“ と。でも、実際に彼が登場されると、そういう心配はどこへやら。彼自身もインタビューで応えていましたが、まさに」「気合い」で、そういう症状だということを全く感じさせないほどにルッジェーロの燃える恋心を情熱的に歌い上げていました。今作がMETデビューだったそうですが、今後も、というか次作の「蝶々夫人」にも出られるようで、そちらも楽しみです。
METデビューということでは、ポゴレルツさんとダブロノフさんも同じ。このコンビの織り成すコミカルさがとってもチャーミングで可愛らしくて、たまりませんでした。他の作品でも共演したことがあるようですけれど、そういう信頼関係のようなものがすっかり出来上がっているから、まさに息のあった演技ができるのでしょうね。お茶目で素敵でした。
元々はこの作品はオペレッタとして作曲されるべきものであったとのことですが、もしも プッチーニがこの作品をオペレッタとして完成させていたらどんなふうになっただろう…とも思います。きっと美しいメロディをふんだんに取り入れながら軽快な感じに仕上がっていたのでしょうね。でも、オペラとしてのこの作品もそういう魅力満載の素敵なものだと思います。
さぁ、今シーズンのライブビューイングもいよいよ次作で千秋楽です。ちょっと寂しい…
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