(公演名) Cutting Edge KYOGEN 真夏の狂言大作戦2024
(日 時) 2024年8月31日(土)11:30〜
(会 場) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
(演目&出演者)
蝸牛・改 茂山逸平
鈴木実
茂山千之丞
馬〜HORSES HAVE BAD DREAMS〜
茂山茂
茂山千五郎
茂山宗彦
猫奉公(作/堀越涼) 茂山千之丞
茂山茂
茂山千五郎
茂山逸平
今まで、狂言の公演というのはテレビなどで少しだけ見たことはあったかもしれませんが、実際に舞台で生の公演を見たことはなかったかも、ということで、初めての
狂言の舞台鑑賞です。
で、行ったのは「Cutting Edge KYOGEN」というユニットの公演。茂山ファミリーと言ったらよいのでしょうか。特に茂山宗彦さん、逸平さんの兄弟は朝ドラなどでもお見かけするお顔ですので、一度、その本業?のお姿は見てみたいと思っていたのでした。
その逸平さんが最初の演目、蝸牛にまず登場されて、それだけでも、おぉ!と思います。ちゃんと狂言師の口調で語っている!というだけでちょっと感激。そして太郎冠者と主人が登場してのやり取りがあって…というのは狂言のお決まりなのでしょうが、山伏の逸平さんが「え〜?」みたいな普段の口調で喋るようなところは、やはり、現代ならではなのでしょうね。誰が蝸牛やねん!と突っ込みどころ満載な感じで、古典作品でありながらも新しさを感じさせるものでした。
次の演目の馬もまた、何とも斬新な感じでした。最初は古典的な展開かと思っていたら、馬に扮した宗彦さんが登場してきて、何やらおかしな感じに。突然馬が立ち上がって、現代語で、しかも標準語で喋りだすのですから、その違和感みたいなものがおかしく、笑えます。なぜか二枚目になるという妙な特性を持つ馬、という設定のようですが、いろいろな二枚目な人のモノマネみたいなものを取り込んでいるのでしょうか。私はよくわからなかったのですが、妻が言うには、キムタクがいた、とのことですし、私はガンダムのシャアのセリフがあったことは分かって、他にも誰かが隠れていたのかもしれません。そういうネタがわかれば、さらに面白いのでしょうね。「何じゃ、この狂言!」という最後のセリフのとおり、何とも型破りな感じの爆笑ものでした。
最後の演目は、さらに爆笑ものです。「三国一の恐妻家」、「三国一の恐妻」という登場からして笑えますが、さらに、誰が可愛い子猫やねん!というツッコミ。そこから繰り広げられるのは、動画投稿で金を稼ぐという、何とも現代的な展開。そのドタバタな中で、仲の悪かった夫婦がお互いを認めあうようになって最後は終わるという、ちゃんと人情味ある話になっているのが、すごいと思います。起承転結のパターンを踏んで、笑いの中にきちんと人間ドラマを織り込んでいるのは、喜劇の基本なのでしょうね。それでも、何とも荒唐無稽な展開には、ほんと、笑いどころが満載で、すっごく楽しかったです。千五郎さんの、図太い声の可愛い子猫ちゃんというのが、妙に似合っているようにも思えてしまいました。
それにしても、狂言ってこんなに楽しいものなのですね。今回の5人は、ほんとに脂の乗ったベテランさん達ですから、初の生公演体験が、彼らの公演で良かったと思います。また来年も来たい!と思う公演でした。
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