2024年10月5日土曜日

今年度第1回目の支部の研修


 弁護士の野口大先生を招いての研修会に参加してきました。テーマは「社労士実務に影響する裁判例と実務対応」ですが、内容は大きく3つに分かれていました。①就業規則の重要性 ②事業場外労働 ③ハラスメントに関する最近の話題 どれもとっても興味深いものでした。


 最初の「就業規則の重要性」は、要は問題社員への対応の仕方という観点から、就業規則をどう定めたらよいか、というもの。問題社員を無理にずっと雇っていかなくても、問題があるのならば問題なく辞めてもらうために、就業規則に何をどう定めたらよいか、具体的な事例とかも踏まえながらの解説でした。とかく、社員を辞めさせる、解雇するとなるとどうしても二の足を踏んでしまいがちなところですが、そうではなく、むしろその人がいるために、周りの他の社員が困る、彼らの就業環境を守るためにも、その人に辞めてもらう必要があるのだ、という観点からの説明は、なかなかズバッとしたもので、説得力がありました。確かに、そういう問題のある人っているよなぁ、と思いながら、お話を聞いていました。


 最初の話題だけで結構な時間がかかってしまい、次からは結構、早足のお話でした。「事業場外労働」のお話は今年の4月に出た最高裁判決をもとにしたお話。今後、事業場外労働が認められる余地が増えていくかも、という方向で動いているから、社労士としてどうアドバイスなどしていけばよいか、参考になりました。


 また、「ハラスメントに関する最近の話題」では、やはり「カスハラ」問題が話題となりました。従業員がカスハラをする相手と対応して、それで「しんどい」と思ったらすぐに担当者に「投げる」ことができるようにする、そしてその担当者もしんどくなったらさらに次の上司、さらにその次の…とどんどんを「投げて」いくことのできるような体制を構築することが必要だとのこと。確かに、そうした体制があれば、従業員も安心して応対をすることができるというもの。なるほど!です。


 なお、研修会では、野口先生の講義の前に、協会けんぽから「わが社の健康宣言」についての説明がありました。個人的には、こういうお話って結構興味があったりします。こういうツールを利用して、健康経営とか取り組んでいけたらよいですね。


 仕事を休んで参加しただけの価値のある、内容の濃い研修でした。


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