2025年1月25日土曜日

【演奏会】阪神・淡路大震災30年メモリアルコンサート


(公演名) 阪神・淡路大震災30年メモリアルコンサート

(日 時) 2025年1月17日(金)19:00〜

(会 場) 東灘区文化センター うはらホール

(出 演) 佐藤正浩指揮神戸市混声合唱団

     ピアノ:河内仁志/金月里紗

(曲 目) 松下耕/混声合唱、室内オーケストラ、ピアノのための「レクイエム」

         (ピアノ4手版 世界初演)

     プーランク/平和への祈り

     (アンコール)

     フォーレ/ラシーヌ讃歌

     モーツァルト/アヴェ・ヴェルム・コルプス



 昨年の秋の定期で初演された、松下先生への委嘱作品「レクイエム」。あの時も実際に聴いてみていたく感動したのですが、ぜひ再演してほしい!と思っていたのです。そして、それが本当に実現しました。それも、まさに1月17日という日に。あれからほんまの30年の日です。その日に再演。実に喜ばしいことだと思います。さらに今回は初演時の室内オーケストラ版ではなく、ピアノ4手版の初演というのがすごいです。何か「熱」のようなものを感じます。


 曲自体は前にも聴いているので、案外と冷静に?聴くことができました。ピアノ4手ということで、室内オーケストラの多彩な音の響きがないのはちょっと寂しい感じも確かにします。やはり奇妙なラッパのところはトランペットで聴きたいと思ってしまいますし。それでも曲自体が持っているエネルギーみたいなものは、ピアノでもしっかりと感じ取ることができます。「Dies irae」の力強さや、「Lacrimosa」の哀調、合唱団の力強さもありますが、しっかりと再現されています。圧巻だと思ったのは「In Paradisum」。前の「Libera me」の昇華する雰囲気を引き継いで、ピアノの音色が本当に美しい天上界を表しているようで、そこにしっとりと祈りの合唱が乗ってきて、じわっと胸にくるものがありました。それに、ピアノのプリモがふと立ち上がって、低音部へ移動して低音域の演奏をして、さらにまた高音部へ移動して元の高音域の演奏して、という何ともアクロバットな!動きをしていたのには驚きました。ゼコンドが終始、通奏低音というわけでもないのですが一定の旋律とリズムを紡いでいて、その上と下の部分を移動して弾き分けていくという。これが3、4回くらいあったでしょうか。そのようにして紡ぎ出されていく美しい音楽が素敵でした。


 それにしても、何度聴いても(ってまだ2度目ですが)、この曲は素敵だと思います。今日という日に聴いたから余計にうるっときたというのはあると思いますが、それでも作曲家の松下さんの、また指揮の佐藤さんや合唱団の皆さんの並々ならぬ熱い思い入れというものが、この曲を名曲に引き立てているのだろうと思います。ぜひ、歌い継がれていってほしいなと思います。


 最後の幕閉めの曲は、アヴェ・ヴェルム・コルプス、佐藤さんご自身がピアノを弾かれての演奏でした。こういう雰囲気、私は好きです。私自身も昔、歌ったことのある曲だからというのもありますが、ほっこりとした感傷にふけりながら、聴き入っていました。


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