2025年2月16日日曜日

【演奏会】ロマンティック・バレンタイン 村治佳織&奏一 ギターデュオ

(公演名) ロマンティック・バレンタイン 村治佳織&奏一 ギターデュオ

(日 時) 2025年2月11日(祝)14:00〜

(会 場) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

(出 演) ギター:村治佳織・村治奏一

(演 目) 【デュオ】

      P.ベリナティ/ジョンゴ

      F.タレガ(J.S.サグレラス編)/アルハンブラの思い出

      D.マリアネッリ(牟岐礼編)/映画「プライドと偏見」から 夜明け

      E.モリコーネ(鈴木大介編)/

       映画「ニュー・シネマ・パラダイス」から 愛のテーマ

      【村治佳織ソロ】

      村治佳織/エターナル・ファンタジア〜薬師寺にて

      J.S.バッハ(D.ラッセル編)/主よ、人の望みの喜びよ

      植松伸夫/FINAL FANTASY Ⅶより ティファのテーマ

      久石譲(小関佳宏編)/

       映画「ハウルの動く城」から 人生のメリーゴーランド

      【村治奏一ソロ】

      H.マンシーニ(鈴木大介編)/ひまわり

      A.C.ジョビン(R.ディアンス編)/フェリシダーヂ

      M.ポンセ/エストレリータ

      ガロート(R.ハベーロ編)/ラメントス・ド・モーホ

      【デュオ】

      J.C.コビアン(飯泉昌宏編)/酔いどれたち

      A.ピアソラ(飯泉昌宏編)/リベルタンゴ

      藤井眞吾/ラプソディー・ジャパンより抜粋

      (アンコール)

      禁じられた遊び

      映画「ディア・ハンター」より カヴァティーナ


 私が前に村治佳織さんの演奏会を聴いたのは、もう15年前のことでした。それまでは、割と彼女のファンらしく?関西圏内の行ける範囲での演奏会には通っていたつもりでしたが、それ以来ちょっと途絶えてしまっていました。随分と久しぶりに彼女の演奏を聴くことができて、それも今回は弟さんの奏一さんの演奏も一緒に聴くことができて、とっても嬉しかったです。


 佳織さんももうデビューされて30年を超えているのですね。私にとってはいつまでも若々しいアイドルのような存在ではあったのですが、もうそのようなベテランになっていたとは。でも、私にとってもアイドルはいつまでもアイドルです。愛らしい感じは昔のままだと思います。


 …って、そのようなことよりも肝心の音楽の方ですが、デュオってとっても素敵だなと思いました。奏一さんの演奏と佳織さんの演奏って、基本的に方向性が違うというようなことがプログラムノートに書かれていましたが、その通りだなと感じます。佳織さんの音楽は、どちらかというと、はんなりとした感じでそこから生まれる力強さのようなものを感じさせます。それは昔からそうだと思っています。繊細な音も大事にして一つ一つの音の粒がとっても細やかという感じ、そこからダイナミックに動き出して大きな音の波を生み出す都いうような感じ、そんなイメージを感じます。一方で、奏一さんの音楽は、どちらかというと、ずっしりとかまえた感じで、そこから生まれる繊細さというものを感じさせます。男性だからというのが関係あるのかどうかは分かりませんが、低音の響きなどどっしりと構えた感じで、その安定感の上に乗りかかるように繊細な音が動いているような感じがするのです。そして、それらがデュオとして合わさることによって、単に音が増えるだけでなく、音空間が一気に広がって表現力の幅もぐんと大きくなるのです。それも姉弟なだけあって、息も自然と合っていて、ほんまに余人のつけ込む隙間もないって感じです。そんなデュオで聴く「アルハンブラ」とか「リベルタンゴ」とか、もう最高!でした。お馴染みの曲でも、ギターデュオになるとこんなにも分厚いサウンドになるんや、と感心しました。


 佳織さんのソロで一番印象的なのは、やはり彼女オリジナルの作品でしょうか。奈良の薬師寺での奉納演奏のために書かれたものだとか。どこか和のテイストがあるようで、侘び寂びのような感じにも捉えられるような雰囲気の曲です。雨の降る奈良の都というようなイメージがしたのですが、そのような感じでしょうか… でも、最後は長調に転調して、天平文化の花が咲いたかのような華やかな雰囲気で終わりました。しみじみと胸に響く曲だったと思います。


 奏一さんのソロでは、やはり「ひまわり」でしょうか。ウクライナを舞台にした映画のテーマというだけでも泣けてきそうですが、それに加えて彼の師匠でもある鈴木大介さんのアレンジによるものだということもあり、まさに先に書いたような奏一さんならではの、どっしりと大地に足を着けて、その上に非常に哀愁を帯びた旋律を繊細なまでに歌い上げていくというふうな音楽になっていて、これもまた胸に響く名演だったと思います。


 アンコールの2曲も、かつては佳織さんのソロの演奏会で何度も聴いた曲、それを超久しぶりに、それもデュオで聴くことができて、涙が出るくらいに嬉しかった…です。


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